開発教育から学ぶ日本語教育


1−a.教室の四隅

 「まず,立って下さい.」と講師は,参加者に言った.参加者は全員立ち上がる.

 そこから講義は始まった.

 講師は,教室の四つの隅を,それぞれABCDと名づけ,グループ分けをした.

 (1)12年度派遣の人はA,13年度派遣の人はB,14年度派遣の人はC,その他はDに行ってください.はい,どうぞ

 参加者は,約30人.それぞれが,自分にあった隅に移動した.その後も同様に,活動が続く.

 (2)開発教育について,
 A:よく知っている B:聞いたことはある 
 C:知らない D:その他

 (3)所属している教育機関は 
 A:中学 B:高校 C:大学 D:その他

 (4)好きな季節は? 
 A:春 B:夏 C:秋 D:冬

 

 4回終わったところで,(4)のそれぞれのグループから,口をきかずに(動作もダメ),代表と副代表を決める.決まったら,代表は立ち,サブ代表は手を上げるよう指示される.

 二分ほどで,それぞれのグループで代表と副代表が決まり,その後,感想を言い合った.

 講 師: どうして代表になったのですか?
 参加者: いや、みんなの「なれ!」っていう視線を感じて…
 講 師: あなたは?
 
参加者: 誰もならないから,えーい私がって勝手に立ってしまいました

など,理由は様々.

 講 師: では,他の人は?
 参加者: やりたくないから視線をそらした.
 参加者: みんながAさんのことを見ているから,私もその視線の流れにそった.

 ちなみに,私は,「ぼけーっとしていたら,すでに向こうのほうで視線の流れが一部の人間の間でできていて,本人も乗り気の様子だし,あの輪にもなんだか入りたくない感じ.ま,いっか」と,そのグループの様子を観察していた冷めたヤツでした.

講 師:

こういう活動すると,積極的にする人もたくさんいるのですが,逆に,「嫌だ」と思った人もいるでしょう.開発教育は,参加型の授業形態をとりますが,その「活動を避けることも参加の形」としています.

 このようにして,自主講座は始まりました.お互い面識がほとんどない参加者もいたのですが,だいたい顔を覚えていることに気付きます.前を向いて,きちんと座ってきく授業では,こうはいきませんね.

  この活動のポイントと応用は,最後にみていきます.では,次の活動に移ります.

 


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送